概要
FAGAは治療をしないと症状が進行する病気です。適切な治療を行うことでその後数年の毛髪量が大きく上がり、病状の進行を緩和することができます。FAGAの進行を抑えるポイントとしては、早めに進行を抑える治療を行うことが重要です。
当院ではエクソソームによる薄毛治療を行っております。
細胞外小胞であるエクソソームがもつ主な成長因子には、IGF-1(インスリン様成長因子-1)やVEGF(血管内皮成長因子)、FGF(線維芽細胞成長因子)があります。これらは毛包の成長や血管の再生を促進します。また、TGF-β(トランスフォーミング増殖因子-β)などのサイトカインには免疫応答の調整や炎症抑制の作用もあり、これらが治療の効果に関連していると考えられています。
マウスをもちいた実験では、エクソソームがミノキシジルと同等の効果を持つことが示されており、エクソソームを頭皮に注射することで、毛乳頭細胞の増殖が促進され、結果として発毛が促されることも報告されています。また、ヒトを対象にした研究では、エクソソームの頭皮注射を12週間行った結果、毛髪の密度と太さがともに増加したと報告されています。
この治療法は、従来の薬物療法(ミノキシジルやフィナステリドなど)が合わない場合にも有効であり、副作用も少ないといった利点が報告されています。エクソソームは生体適合性が高く、アレルギー反応や拒絶反応のリスクも低いと考えられています。さらにエクソソームの頭皮注射に内服薬を併用することで、治療の相乗的な効果が期待されます。
エクソソームを頭皮に手打ち注射することで、気になる部位に適量のエクソソームを投与することができます。治療は月に1回半年~1年間行いますが、治療効果には個人差があります。最初の2〜3回の治療で効果を実感される方から、6回以上の治療で効果を実感される方もいます。そのため、現在は複数回の治療が推奨されています。
治療の流れ
月に1回のペースで4~12回治療を行います。
費用
4回セット 360,000円
料金表はこちらエクソソームについて
エクソソームの詳しい解説、Q&Aはエクソソーム点滴のページをご覧ください。
出典・参考文献
- Effectiveness of Exosome Treatment in Androgenetic Alopecia: Outcomes of a Prospective Study, 2023
- Exosomes: A New Effective Non-Surgical Therapy for Androgenetic Alopecia?, March 2020, Aditya K. Gupta, Helen J. Renaud, Yael Halaas, Jeffrey A. Rapaport
- Systematic Review of Exosome Treatment in Hair Restoration: Preliminary Evidence, Safety, and Future Directions, September 2023, Gupta AK, Wang T, Rapaport JA
- Exosomes and Their Potential Role in Female Pattern Hair Loss, 2020
- Hair Growth Promotion in Women Using Exosome Therapy: A Clinical Trial, 2021
- Adipose-Derived Stem Cell Exosomes Promote Hair Growth in Female Pattern Hair Loss, May 2020, Kim YJ, Yoo SM, Park HH, Lim HJ, Kim YL
- Human Dermal Papilla Cell-Derived Exosomes Stimulate Hair Regeneration in Female Androgenetic Alopecia, December 2019, Zhang B, Tsai PC, Gonzalez-Cantu V, Shen T, Kovanen PE
医薬品について
- エクソソーム治療の臨床試験が進められていますが、現段階では研究段階であり未承認医薬品となっております。
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当院で取り扱うエクソソームはトレーサビリティ等の厳しい基準を満たした以下国内認定施設様より納入しております。
- 歯髄由来エクソソーム:羽田天空橋クリニック
- 臍帯組織由来エクソソーム:セルプロジャパン株式会社
- 脂肪由来エクソソーム:セルソース株式会社
- 諸外国のエクソソームの安全性に関する情報はまだ初期段階です。現時点では主に臨床試験で評価され多くの試験で安全性が確認されてきていますが、長期的なデータは十分ではありません。
- 未承認医薬品等は医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の救済制度の対象にはなりません。