【網膜細胞】iPS細胞研究による視力回復への新たな一歩
神戸アイセンター病院では、重度の眼疾患を持つ患者に対して、iPS細胞から作製した網膜色素上皮(RPE)細胞を移植する臨床試験を実施し、無事に終了しました。この研究は、加齢や病気によって視力が低下する「滲出型加齢黄斑変性」などの治療を目指すものです。
注目すべき成果として、移植されたRPE細胞が1年後も患者の目の中で安定して定着していることが確認されました。これは、細胞が拒絶されずに機能し続けていることを意味し、安全性と有効性の面で大きな前進です。
さらに、この治療法は厚生労働省の「先進医療」に申請され、受理されました。これにより、入院費や検査費などの一部に公的保険が適用されるようになり、患者の経済的負担が軽減されます。先進医療として認められることで、今後より多くの医療機関でこの治療が実施される可能性も広がります2。
今後の展望として、神戸アイセンター病院は5年以内に滲出型加齢黄斑変性を含むRPE不全症の治療を本格的に開始する計画を立てています。これにより、視力を失いかけている多くの患者に新たな希望がもたらされるでしょう。
iPS細胞を活用した再生医療は、眼科領域だけでなく、さまざまな難病治療にも応用が期待されており、医療の未来を大きく変える可能性を秘めています。
研究グループ:神戸アイセンター病院(日本)
参照:2025年2月3日18時28分 日本放送協会(NHK)配信ニュース