【心筋梗塞】iPS細胞で心筋シート移植に成功

大阪大学は、心筋梗塞などで心臓の働きが低下する「虚血性心筋症」の患者に対し、iPS細胞から作製した「心筋細胞シート」を心臓に移植する臨床試験を実施しました。この治験は2020年から始まり、2026年に終了予定。これまでに治療を受けた8人の患者全員が社会復帰を果たすなど、非常に良好な結果が報告されています。

この心筋シートは、健康な人のiPS細胞から心臓の筋肉細胞を培養し、薄いシート状に加工したもの。心臓の弱った部分に貼り付けることで、ポンプ機能を助け、心臓の動きを改善する効果が期待されています。

この成果を受けて、大阪大学発の企業「クオリプス」は、心筋梗塞患者向けの治療製品として厚生労働省に承認申請を行いました。承認されれば、世界初のiPS細胞由来心筋シートの医療製品として、実用化が進む見込みです。

さらにこの心筋シートは、2025年開催の大阪・関西万博でも展示されており、来場者に向けて再生医療の最先端技術として紹介されています。

iPS細胞がもたらす医療の進化が、心臓病の治療に革命を起こそうとしています。

研究グループ:大阪大学(日本)
参照:2024年3月13日 産経新聞