【スタッフブログ】美容皮膚科でのボルニューマと他の高周波機器の違いは?
こんにちは、麻の葉クリニックです!
美容皮膚科におけるたるみ治療は、加齢による肌のハリや弾力の低下を改善し、若々しい印象を取り戻すための有効な手段として注目されています。その中でも、高周波(RF:Radio Frequency)を用いた治療は、非侵襲的でダウンタイムが少ないことから多くの患者様に選ばれています。特に、ボルニューマ(Volnewmer)は最新の高周波治療機器として人気を集めていますが、サーマクールやインモードなど他の高周波機器との違いや特徴、効果、適応、副作用については、十分な理解が必要です。
高周波(RF)治療とは?
高周波(RF)治療は、ラジオ波と呼ばれる電磁波を利用して皮膚の真皮層や脂肪浅層に熱エネルギーを与える施術です。この熱エネルギーにより、分子同士の摩擦熱が発生し、組織の収縮やコラーゲン生成を促進します。これにより、肌のたるみやシワの改善、フェイスラインの引き締め、肌のハリや弾力の向上が期待できます。高周波治療は、表皮にダメージを与えずに深部に作用するため、ダウンタイムが短く、日常生活に支障を与えることなく施術を受けられる点が特徴です。
高周波機器には、モノポーラ型とバイポーラ型があり、それぞれエネルギーの伝達方法や効果の範囲が異なります。モノポーラ型は対極板を用いて広範囲に熱を伝え、深い層(真皮から脂肪浅層)に作用します。一方、バイポーラ型は電極間でエネルギーを伝えるため、浅い層(表皮から真皮)に効果を発揮します。
ボルニューマの特徴と仕組み
ボルニューマは、韓国のCLASSYS社が開発した次世代の高周波治療機器で、6.78MHzのモノポーラ型RFを採用しています。この周波数は、一般的な高周波機器(16Hz~1MHz)に比べ約6倍高く、強力なエネルギーを真皮層から脂肪層の中層まで均一に届けます。 ボルニューマの主な特徴は以下の通りです:
- ・ 高い出力と均一な熱伝達:湾曲したチップデザインにより、皮膚にムラなく熱を伝達します。過剰な熱によるやけどのリスクを軽減し、顔の凹凸にもフィットします。
- ・ 痛みの軽減:冷却システムと4段階の振動機能を搭載しており、従来の高周波治療の課題であった痛みを大幅に軽減してくれます。ゲートコントロール理論に基づく痛み制御も特徴です。
- ・ 多様なチップ:フェイスチップ(3.0㎠)を使用し、部位に応じたカスタマイズが可能。目元や口周りなどデリケートな部位にも対応します。
- ・ 安全性:チップが皮膚から離れると自動的に照射が停止する機能や、コンタクトクーリングシステムにより、やけどや過熱のリスクを最小限に抑えます。

ボルニューマは、脂肪層の線維質を増加させ、たるみを引き締める一方、真皮層の線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。これにより、即時的な引き締め効果と、1~3ヶ月後の遅延効果(コラーゲン再構築によるハリ・弾力向上)が得られます。
他の高周波機器との比較
ボルニューマを理解するには、代表的な高周波機器であるサーマクールとインモードとの比較が有用です。以下に、それぞれの特徴、効果、適応を整理します。
1. サーマクール

・特徴:サーマクールは、モノポーラ型RFの代表的な機器で、ボルニューマと同じ6.78MHzの高周波を使用しています。真皮層から脂肪層の浅い部分をターゲットにし、強力な引き締め効果を発揮します。 しかし、従来のモデルでは強い痛みが課題でした。
・効果:フェイスラインのたるみ、シワの改善、肌のハリ向上に効果的。即時的なコラーゲン収縮と長期的なコラーゲン生成により、施術後3~6ヶ月で効果がピークに達します。
・適応:顔全体のたるみや深いシワが気になる40代以上の患者に適しています。ただし、痛みに敏感な方には不向きな場合があります。
・副作用:施術中の強い痛み、赤み、腫れ、やけどのリスク。冷却機能の改良により最新モデルでは痛みが軽減されていますが、ボルニューマに比べると依然として痛みが強いと報告されています。
・ボルニューマとの違い:サーマクールはボルニューマと同等の周波数を持ち、効果の強さは匹敵しますが、痛みの軽減技術でボルニューマが優れています。ボルニューマの冷却・振動システムやマルチパス照射(複数回に分けて段階的に加熱)は、患者さんの快適さを向上させます。
2. インモード

・特徴:インモードはイスラエルのインモード社が開発した複合機で、バイポーラ型RFを主に使用しています。FORMAやミニFXなどの機能があり、浅い層(表皮から真皮)に作用します。 周波数は1MHz程度で、ボルニューマに比べ出力が低いのが特徴です。
・効果:肌の表面のハリや小じわの改善、毛穴の引き締めに効果的です。複数回(5~6回)の施術で徐々に効果が現れ、1~2ヶ月に1回のメンテナンスが推奨されます。
・適応:軽度のたるみや肌質改善を求める30代~40代の患者に適しています。深いたるみには効果が限定的です。
・副作用:赤み、内出血、腫れ、熱感が一時的に生じる場合がありますが、ボルニューマやサーマクールに比べ副作用は軽度です。
・ボルニューマとの違い:インモードはバイポーラ型のため、狭く浅い範囲に作用し、軽度のたるみや肌質改善に適しています。一方、ボルニューマはモノポーラ型で広範囲かつ深い層に作用し、強力なたるみ改善が可能です。
ボルニューマの効果と適応
ボルニューマの効果は、以下の点で特に評価されています。(※効果には個人差があります。)
- 1. 即時効果:施術直後からフェイスラインや頬の引き締めを実感できます。熱によるコラーゲンの収縮が即時的なリフトアップをもたらします。
- 2. 遅延効果:施術後1~3ヶ月でコラーゲン生成が促進され、肌のハリや弾力が向上。効果のピークは3~6ヶ月で、持続期間は6ヶ月~1年程度。
- 3. 多様な適応部位:頬、フェイスライン、口周り、目元など、たるみやシワが気になる部位に幅広く対応しています。
適応:
- ・ 頬やフェイスラインのたるみ、ほうれい線、口周りのもたつきが気になる方
- ・ 肌のハリや弾力の低下、毛穴の開きを改善したい方
- ・ 痛みに敏感で、ダウンタイムを避けたい方
- ・ 30代後半~50代で、加齢による軽度~中度のたるみを治療したい方
ボルニューマは、脂肪層が柔らかいタイプの方に特に効果的です。一方、脂肪層が硬い方や深い層(SMAS筋膜)の引き上げが必要な場合は、HIFU(高密度焦点式超音波)との併用が推奨されます。
副作用と注意点
ボルニューマは安全性が高い治療ですが、以下の副作用やリスクが報告されています:
- ・ 一時的な症状:施術後の赤み、熱感、軽い腫れ。これらは通常数時間~24時間以内に消失します。
- ・ まれなリスク:やけど、水ぶくれ、内出血、知覚鈍麻、皮膚表面の凹凸、しこり、単純ヘルペスの再活性化。適切な照射レベルと冷却技術により、これらのリスクは最小限に抑えられます。
- ・ 施術後のケア:施術後は肌が乾燥しやすいため、低刺激の保湿剤を使用し、十分な保湿を行うことが重要です。紫外線対策として日焼け止めも必須となります。
禁忌:
- ・ペースメーカーや埋め込み式除細動器を使用している方
- ・治療部位に金属プレートや金の糸を埋め込んでいる方
- ・妊娠中または授乳中の方
- ・治療部位に感染症や重度の皮膚疾患がある方
- ・ケロイド体質、糖尿病、心疾患、出血性疾患の方
ボルニューマとHIFUの併用について

ボルニューマとHIFU(例:ウルトラフォーマーMPT)は、エネルギーの種類(高周波 vs 超音波)と作用する層(真皮~脂肪層 vs 脂肪層~SMAS筋膜)が異なるため、併用することで相乗効果が期待できます。 ボルニューマで肌の浅い層を引き締め、HIFUで深い層を引き上げることで、全体的なリフトアップ効果を高めます。
併用例:
- ボルニューマ:頬や口周りのたるみ(HIFUでは当てられない口横のポニョ)、肌のハリ改善
- HIFU:フェイスラインの引き上げ、深い層のボリュームコントロール
- 施術間隔:3~6ヶ月ごとに継続することで、効果を維持
実際の患者の声とクリニックの取り組み
患者さんからは「施術直後の引き締め感と、1ヶ月後のハリ感に満足」「友人に若返ったと言われた」などの声が寄せられています。
一方、Xの投稿では、ボルニューマとサーマジェンの比較実験で「1ヶ月後、ボルニューマの方が引き締まりを継続できた」との報告があり、長期的な効果の違いが注目されています。
結論:ボルニューマはどのような方に最適か?
ボルニューマは、痛みの軽減、強力な出力、安全性の高さを兼ね備えた高周波治療機器として、美容皮膚科でのたるみ治療において優れた選択肢です。サーマクールに比べ痛みが少なく、インモードに比べ深い層に作用するため、中度までのたるみやハリ不足に悩む方に特に適しています。HIFUとの併用でさらに効果を高められる点も魅力です。
ただし、効果の現れ方や持続期間には個人差があり、即時性を求める方には物足りない場合もあります。施術前のカウンセリングで、肌の状態やたるみの原因を評価し、適切なショット数や併用治療をご案内いたします。
皆様のご来院、スタッフ一同お待ちしております。