【スタッフブログ】漢方勉強会:月経不順・月経困難とざ瘡への漢方アプローチ

こんにちは、麻の葉クリニックです!
私たちのクリニックでは、患者様に最適な医療を提供するため、スタッフ一同が日々学びを深めています。その一環として、ツムラ様をお招きして開催した2回目の漢方勉強会を実施しました。今回は「月経不順・月経困難」と「ざ瘡(ニキビ)」に焦点を当て、漢方医学の視点からこれらの症状に対するアプローチを学びました。医師、看護師、コンシェルジュ全員が参加し、漢方薬の選び方や患者様への適切なアドバイスについて深く議論しました。以下に、勉強会の内容を振り返りつつ、漢方の魅力や学んだポイントをご紹介します。

勉強会の概要

今回の勉強会では、ツムラ様の専門家をお招きし、月経不順・月経困難およびざ瘡に対する漢方薬の基本的な考え方や処方のポイントを学びました。漢方医学は、患者様の体質や症状の全体像を捉え、気・血・水のバランスを整えることで健康を回復するアプローチを取ります。特に、女性特有の症状や皮膚トラブルは、ホルモンバランスや体内の巡りの乱れが影響するため、漢方のオーダーメイド治療が効果的であることを再確認しました。

ツムラ様からは、漢方薬の品質管理や生薬の選定プロセスについても詳しくお話しいただきました。高品質な生薬を厳選し、厳格な製造基準で作られた漢方薬は、医療現場での信頼性が高いことがわかりました。このような背景知識を得ることで、患者様に自信を持って漢方薬をおすすめできると感じました。

月経不順・月経困難に対する漢方処方のポイント

勉強会では、月経不順や月経困難に悩む患者様への漢方処方について、具体的な症例をもとに学びました。以下に、印象に残った漢方薬とその適応についてご紹介します。

  1. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
    体格が華奢で冷え性、貧血傾向の方に適した漢方薬です。血の巡りを改善し、水分バランスを整える効果があり、月経不順や月経痛、むくみに悩む女性に処方されることが多いです。看護師からは、「問診で冷えや貧血の症状を丁寧に聞くことで、適切な処方につなげられる」との気づきが共有されました。
  2. 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
    血の滞り(お血)が原因で月経痛や月経不順が起こる方に適しています。特に、子宮筋腫や内膜症による症状がある場合に効果的です。コンシェルジュからは、「患者様が『下腹部の重だるさ』を訴える場合、この漢方を提案するきっかけになる」との声が上がりました。
  3. 温経湯(うんけいとう)
    冷えや血の不足による月経不順や不妊症に悩む方に適した漢方薬です。体を温め、血を補うことで月経周期を整えます。医師からは、「ホルモンバランスの乱れによる不調に、漢方が穏やかに作用する点が魅力的」との意見が出ました。
  4. 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
    便秘やイライラを伴う月経困難に適しています。お血と熱を取り除き、便秘を解消することで月経痛を軽減します。ただし、下剤作用が強いため、体力が中等度以上の方に適していると学びました。

ざ瘡(ニキビ)に対する漢方処方のポイント

ざ瘡については、皮膚の炎症や体内の熱、ストレスなどが原因となるため、漢方では体質や症状に応じた処方が重要です。以下に、勉強会で取り上げられた漢方薬をご紹介します。

  1. 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
    赤みや膿を伴う初期のざ瘡に適しています。体内の毒素を排出する効果があり、皮膚の炎症を抑えます。コンシェルジュからは、「若い患者様からニキビの相談を受けることが多いが、この漢方なら気軽に提案できそう」との声が。
  2. 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
    慢性化しやすく、脂性肌の方に適した漢方薬です。ストレスやホルモンバランスの乱れによるざ瘡に効果的で、皮膚の熱を取り除きます。看護師からは、「生活習慣の乱れがニキビに影響することを患者様に伝え、漢方と併せてアドバイスしたい」との意見が出ました。
  3. 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)
    顔の上部(額やこめかみ)にできる赤いニキビに適しています。頭部の熱を冷ます効果があり、ストレスや睡眠不足が原因の場合に処方されます。医師からは、「患者様の生活背景を丁寧に聞くことで、適切な漢方を選べる」との気づきが共有されました。

看護師・コンシェルジュの学び

看護師からは、「漢方薬は症状だけでなく体質や生活習慣を考慮する必要があるため、問診の重要性を再認識した」との声が上がりました。特に、月経不順やざ瘡はストレスや睡眠、食生活の影響を受けやすいため、患者様との対話を通じて詳細な情報を集めることが大切だと学びました。

コンシェルジュは、患者様から「どの漢方が自分に合うか」という質問を受けることが多いため、症状ごとの漢方薬の特徴を整理できたことが役立ったようです。例えば、月経痛には「桂枝茯苓丸」、ニキビには「十味敗毒湯」など、具体的な提案ができるようになったと自信を深めていました。

漢方を取り入れた診療の未来

麻の葉クリニックでは、漢方と西洋医学を融合させた統合医療を推進しています。今回の勉強会を通じて、月経不順やざ瘡に対する漢方アプローチの可能性を再確認しました。ツムラ様のサポートにより、最新の漢方知識を学び、患者様一人ひとりに寄り添った治療を提供する自信が深まりました。

今後も定期的な勉強会を通じて、スタッフ全員が知識をアップデートし、患者様の健康と生活の質の向上に貢献していきます。次回の勉強会では、漢方薬と生活習慣の関係や、セルフケアの方法についてさらに学びを深めたいと考えています。

おわりに

ツムラ様のご協力により、2回目の漢方勉強会は非常に有意義な時間となりました。月経不順・月経困難やざ瘡に対する漢方処方の知識を深め、スタッフ一同、患者様により良い医療を提供するための新たな一歩を踏み出せました。漢方医学の奥深さに改めて魅了され、今後も患者様の小さな不調にも耳を傾け、漢方の力を借りて健康をサポートしてまいります。どうぞお気軽にご相談ください!