【理事長ブログ】「アンチエイジング」から「リバースエイジング」へ【後編】
【前編】でエクソソームについてご説明しました。
続いて現在、研究論文レベルで「エクソソーム」の予防や治療効果が確認されている疾患を以下にご紹介します。
- ◆アルツハイマー病
- エクソソームがアミロイドβなどの有害タンパク質を除去する作用が報告されています。また、神経保護作用や神経再生を促進することが期待されています。
- ◆パーキンソン病
- エクソソームが神経保護作用を持ち、α-シヌクレインの集積を減少させる可能性が示されています。
- ◆脳卒中
- エクソソームを用いた治療が、神経細胞の保護と神経再生を促進し、機能回復に貢献する可能性が報告されています。
- ◆脊髄損傷
- 損傷部位での炎症を軽減し、神経再生を助ける効果が期待されています。
- ◆心筋梗塞
- エクソソームが心筋細胞の保護や再生を促進し、心臓の機能回復に寄与する可能性が報告されています。
- ◆動脈硬化
- エクソソームを利用して、血管内の炎症や血管平滑筋細胞の異常増殖を抑制する作用が報告されています。
- ◆がん
乳がん、肺がん、前立腺がんなどの多くのがんにおいて、エクソソームは診断や予後予測のバイオマーカーとして研究されています。また、エクソソームを利用したドラッグデリバリーシステムががん治療で期待されています。
- ◆がん治療の耐性克服
- エクソソームを通じて薬剤耐性を持つ細胞へのターゲット治療が可能であるとの報告もあります。
- ◆肝硬変、肝炎
- エクソソームが肝臓の線維化を抑制し、肝再生を促進する効果が期待されています。
非アルコール性脂肪肝炎 (NASH): エクソソームを利用した肝細胞の修復が研究されています。
- ◆肺疾患
慢性閉塞性肺疾患 (COPD) や 肺線維症に対して、エクソソームが肺の炎症を抑え、肺組織の修復を助ける可能性が報告されています。
- ◆COVID-19
- エクソソームが、サイトカインストームを抑制し、重症化した患者の肺機能回復に役立つ可能性があるとの研究があります。
- ◆関節リウマチ
- エクソソームが炎症を抑制し、関節の損傷を減らす可能性が報告されています。
多発性硬化症 (MS): エクソソームが炎症を抑え、神経保護作用を持つことが示されています。
- ◆糖尿病
- エクソソームを使って膵β細胞の再生を促し、インスリン分泌を改善する研究が行われています。
- ◆肥満
- エクソソームを介して脂肪細胞の代謝を調節し、インスリン抵抗性を改善する効果が報告されています。
- ◆慢性腎臓病 (CKD)
- エクソソームが腎臓の炎症を抑制し、腎組織の修復を促進する可能性が示されています。
- ◆アトピー性皮膚炎や創傷治癒
- エクソソームは炎症を抑え、皮膚の再生を助ける効果が期待されています。特に創傷治癒の促進が報告されています。
- ◆不妊治療
- 精子や卵子の品質向上におけるエクソソームの役割が報告されています。また、胚発育をサポートする可能性も示されています。
- ◆変形性関節症
- エクソソームが軟骨の再生を促し、関節の炎症を軽減する効果が研究されています。
- ◆骨粗鬆症
- 骨の再生や修復を促進するためのエクソソームの利用が期待されています。
- ◆希少疾患
一部の遺伝性疾患やミトコンドリア病に対して、エクソソームを通じた遺伝子治療や細胞修復の可能性が探られています。
また、臨床現場でもエクソソームの「抗炎症作用」「組織保護・修復作用」「免疫調整作用」による以下のようなリバースエイジング効果が確認されています。
●肌の若返り
●疲労回復
●認知機能改善
●記憶力向上
●心肺機能改善
●スポーツパフォーマンス向上
●体力や免疫力の向上
●膝や肩、腰などの痛みの緩和
●不眠改善
●精力増進・勃起不全
●中年太りの解消
●腸内環境の改善
●薄毛改善(男女)
●肝機能改善
●血液炎症抑制
●テロメア長の維持
私自身も長年臨床に携わってきましたが、これまでどのような治療をしても改善しなかった病態が、エクソソームにより劇的な改善が見られた症例を多く経験しました。
これまでの医療では治らなかった疾患への新しいアプローチ法として、「エクソソーム」がこれからの医療の在り方を大きく変えると確信しています。
※エクソソームは研究用試薬の扱いになっています。エクソソームは臨床的な安全性なども分かってきたとはいえ、いまだ長期にわたる人体への影響など安全性についてのエビデンスレベルはまだ高いとは言えません。